さくらの森
学園だより

二学期のスタートです!

Vol.27

令和4年9月

コロナ禍で迎えた3年目の夏休み。子ども達に楽しい思い出をと考えていた矢先に、感染者が激増。8月末には高知県内で感染者が2千人を超える日もあり、ワクチン接種をしていても、安心できない日々が続いています。早くインフルエンザ罹患時における、タミフルのような治療薬が出来ないものでしょうか?!

さて、今年度は専門学校で「子ども家庭福祉」の授業を前期受け持ちました。そして授業の後で、社会的養護の下で育った学生からこんな相談をうけました。

「施設から家庭に帰った(家庭復帰と言います)子ども達の中で、支援が必要な子ども達が多数いる。そういう後輩たちのための居場所作りができないだろうか?」

令和4年度は、社会的養護における自立支援の充実が、より一層謳われており、退所者の年齢に関係なく、施設で公的に支援できることになりました。しかし職員の入れ替わりもあり、元居た施設は、退所者にとって敷居が高いことが少なくないように思います。子ども達は施設というより職員と繋がっていることが多いのです。

また、高知県内では子ども食堂をはじめ、様々な形で子ども達の支援を行っていますが、社会的養護を経験した仲間が気軽に集う場所はないようです。

「ずっと寂しい」「職員が家に来てくれるのは嬉しいけど、帰った後が寂しい。」
家庭に恵まれなかった退所者を支援する中、職員に対して向けられたこの言葉が、ずっと心に引っかかっていました。
来てくれる職員を待つだけでなく、ふらっと立ち寄れる場所、みんなでご飯を一緒に作って食べたりできる場所、社会的養護経験者を緩やかに見守ったりできる場所、そんな場所が必要ではないかと改めてその学生が気づかせてくれました。

厚労省が発表した、令和2年度の児童虐待相談対応件数が20万人を超える中、そのうち施設入所となった子どもは3%もいません。社会的養護の枠から零れ落ちてしまった子ども、そして社会的養護の下から巣立った子どもの居場所を、これからしっかりと考えていきたいと思います。

施設長 中 村 久 美



華棟



せっかくの夏休みなのに、コロナの感染者数が増えて、なかなか外に遊びに行けない…ということで、棟内で何かできることはないか考えた結果、夏祭りを開催することにしました!

職員がお祭りの定番メニュー(唐揚げ、たこ焼き、フライドポテト、フランクフルト)を用意し、お祭りらしくパックや紙コップに詰めて店開き!みんな「おいしい!」と大満足で、職員としてもうれしい限りでした。夏祭りと言えば、もちろん遊びも欠かせない要素ですよね。ということで、キャラクターすくい、輪投げ、くじ引きをしました。くじ引きでは、箱の中に景品を入れて、紐で引っ張って取り出す形にしました。

みんなわくわくどきどきで紐を引っ張って、お菓子といろいろなキャラクターのシールなどを当て、みんなで見せ合いっこをしました。キャラクターすくいでも、すくった数の2倍お菓子がもらえるとあって、子どもたちが奮起してすくっていて、中には16個すくった子もいました(笑)輪投げも「無理やって!」と言いながらも笑顔で楽しむことが出来ていました。最後に職員がかき氷を用意しました。いちごやブルーハワイ、練乳と、色々な味を組み合わせて美味しくいただきました。

去年はあまり行事をしてあげられなかったので、今年は夏らしい行事をすることができて良かったです。子どもたちから「季節ごとにやろう!毎日あってもいい!」という言葉が聞けたのは、職員にとっても幸せなことでした。この楽しい思い出を胸に、新学期頑張ろうね!



杜棟


また今年の夏もコロナの影響で何かと制限がかかり、外出ができず。せっかくの夏休みに「何か子どもたちにとって楽しい事が出来れば」との思いから、職員一同でイベントを考え、実行☆ 夏と言えば…川遊びです!前日から子どもたちは嬉しさでワクワクを押さえきれず、浮き輪やシャチフロートに空気を入れ準備完了、こういう時の準備の速いこと!

園から車で15分も走れば日本一の水質を誇る仁淀川(越知町)に到着です。雄大な自然に囲まれ、目の前には透明度の高い清流が!早く川に入りたいと子どもたちは気持ちを抑えきれません。「ちょっと待て!」自然の怖さ、泳ぐときの注意事項を伝え、入念にストレッチをしてから遊泳開始。最初は緊張気味に泳いでいましたが、段々慣れてくると職員と一緒に少し深い所まで行ったり、小魚を探したり、浮き輪を使って遊んだり、キラキラ石を探したり、など。それぞれの楽しみ方で遊べていました。

やっぱり「子どもは遊びの達人」ですね。自然の中で思いっきり体を動かすことで心も体も解放され、コロナ禍の中でも楽しい夏の思い出になったかな♪と思います。



樹棟



やっとやってきた夏休み!というのに…コロナの感染者数は増え続け、外出にも制限がかかり、予定していた行事も出来ずじまい。川遊びだけでもの願いも虚しく、予定した日の前日が雨で増水していたり、雷注意報が出たりと結局中止に…楽しみにしていただけに子どもたちも悲しそうでした。なんとか子ども達が楽しめる行事を2学期に計画してリベンジしたいと思っています。
そんな樹棟ですが、8月末にM君が退園しました。

お別れ会では樹棟のみんなで卓球大会を開催しました。
全員で総当たり戦!熱戦に手に汗握りながら職員は見守り、子どもたちは白熱した戦いに声援を送ったり、上手な子も苦手な子も全員が楽しそうに声を上げ、卓球部のM君に挑みました。結果、M君が1位!他の子どもたちからは「やっぱ強いね」との声があがり、お互いを称え合いながら一緒に喜びました。

夕食はM君の希望したメニュー。手羽元のから揚げ、卵焼き、味噌汁を職員が作り、みんなで食べました。「美味しい!」と子どもたちも大満足。夕食後にはケーキを食べ、少しずつ別れが近づき残り少ない時間を楽しく過ごしたことでした。

この夏いつも賑やかな樹棟が、1人いなくなったことで少し寂しくなったような気がしますが、退園式ではM君の、さくらの森学園で過ごした日々を肯定的に振り返り、周りに対する感謝の言葉がありました。

心も体も大きく成長し、立派になって巣立っていく姿を見られたことは、とても喜ばしく感じます。退園しても元気で頑張っていってほしいと思います。他の子ども達の憧れの存在でもあったM君。その姿を見て、樹棟の子ども達が更に大きく成長していってくれたらと願わずにはいられません。



土用の丑の日

外食に行きた~い。でも行けない(涙)
そんな気持ちを吹き飛ばせ!
とばかりに、なんとも贅沢なお昼御飯が7月23日(土曜)土用の丑の日に用意されました!
子ども達にとお心遣いをくださる方のおかげで、1人1匹の大盤振る舞いです。
近所のスーパーの店先で、焼き立ての高知産の鰻のかば焼きを購入し、鰻丼をいただきました。
数人鰻が苦手な子どもがいて、別メニューも用意しましたが、この夏、暑い日もグランドで元気に遊べたのも鰻パワーのおかげかもしれませんね。





ご支援ありがとうございました


  • 池葉広野
  • 沖野和賀子
  • 鳥原悦子
  • ㈲西村謄写堂
  • 西森遼子
  • ㈱シュアティ・萩野昭子
  • 竹内由美
  • 美容室ピアリレガロ・岡崎由也里
  • 広田理容店
  • ポピーフローリスト
  • 村田幸美
  • MomoNori
  • 横畠亨
  • 和田光明
  • 篤志家

敬称略順不同 R4年4月~



花火大会




今年の夏は3年ぶりに地元でも花火大会がありました。しかし感染拡大真っ只中、子ども達を連れていくことを断念しました。そんな中、夏休みに子ども達のため遣ってくださいと寄付金をいただいたことで、意見箱に入った「花火大会に行きたかった」の声に応えようと、「さくらの森学園花火大会」を計画しました。

施設のグランド周りには人家がないことが幸いし、大小合わせて75発の花火を打ち上げることができました。
夏休み最後のサプライズ花火に、子ども達も職員も大興奮。中には興奮が冷めやらず、落ち着かない子もいましたが、間近でみる本格的な花火に「来年も花火打ち上げて~」の声が多数寄せられました!



ご支援のお願い

さくらの森学園への寄付金は寄付金控除対象です。領収書を発行しますので、よろしくお願い申し上げます。