さくら通信
web版

令和5年10月号

Vol.12

2023年10月

児童養護施設さくら園 施設理念


私たちは、子どもたちが


  • 自分も周りの人も大切にできる子ども
  • 主体性を持って意思決定でき、自己表現ができる子ども
  • 困った時に相談できる子ども
  • 基本的な社会生活のマナールールが身に付いた子ども

に育ってくれるよう、日々の支援を行っています。





[園長の年中夢求⑤]
-児童養護施設の仕事について―


いつも児童養護施設さくら園、児童家庭支援センターひだまりにご理解、ご協力を賜りまして有り難うございます。

私は、養育とは鍛錬して少しずつ作り上げるものだと考えます。今は児童養護施設という守られた環境の中で生活している子どもたちも、ゆくゆくは社会に出て自分の力で生活を営んでいかなければなりません。その時が来るまで、衣食住を満たすこと、友だちと仲良くすること、勉学に励むこと等の鍛錬を重ねて、「生活」の基盤を培っていってほしいと願っています。

子ども時代は昨日できなかったことが明日できるようになる、そんな目まぐるしい変化の中にあります。出来ることがどんどん広がって、やりたいこと、試したいこともどんどん増えます。彼らはその中で失敗や成功を重ねることによって社会のルールや危ないことから身を守る方法などを身に付けていきます。児童養護施設の中で多感な時期を送る子どもからすると、ここでの生活は思い通りにならないことが多々あると思います。

職員は子どもたちと生活しながら彼らが社会に出て困らないように社会的なルールを指導しますが、それは多くの場合子どもにとって煩わしいものでもあります。学校に行きたくない、お風呂に入りたくない、宿題をしたくない、嫌いなものは食べたくない、日常の中に衝突は当然のように横たわっています。ここで職員が子どもの意見を通してしまうと、学業面、衛生面、栄養面等で偏りが生じてしまうことになるので、職員もおいそれと引くわけにはいきません。どの家庭でもそうであるように、施設での生活でも穏やかな日々ばかりではありません。時には子どもとぶつかりながら、山あり谷ありな日々を過ごしているのです。

さくら園では、毎朝の連絡会や月に2度行われる職員会、グループ会等を通して、子どもたちの様子を全体で共有しています。24時間365 日、リレーのバトン渡しのように子どもたちとの日々を繋いでいくのです。私も施設長として、彼らを支える一職員として輪に加わり、今後も邁進したいと思います。
今後とも何卒、ご指導のほどよろしくお願い致します。秋気肌に染む時節、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております。

社会福祉法人 同朋会
児童養護施設 さくら園
施設長 大坂 太一



研修報告

基本のビジネスマナー研修

R5年5月29日㈪に法人研修の一環で「基本のビジネスマナー研修」を行ないました。当日は「児童養護施設さくら園」だけでなく、「児童心理治療施設 さくらの森学園」「児童家庭支援センターひだまり」からも職員が参加しました。講師として「人・みらい研究所」の筒井典子先生をお招きし、法人理念に
基づいた考え方や組織としての意識、基本的な挨拶から身だしなみのチェックリストなどについて教えていただきました。


ティーチャーズ・トレーニング/ペアレント・トレーニング

R5年7月10日㈪に行われた法人研修の報告です。今回のテーマは「ティーチャーズ・トレーニング/ペアレント・トレーニングについて」でした。高知県立療育福祉センターから野々宮京子先生を講師にお招きしました。ティーチャーズ・トレーニング/ペアレント・トレーニングとは、行動療法理論に基づいて子どもの行動に注目するアプローチで、大人の褒める関わり方によって子どもの「危険な行動」「好ましくない行動」を減らし、「好ましい行動」を増やしていきます。


子どもの行動でついつい目が向いてしまうのは「困った行動」ですが、上手く「困った行動」から注目を外し「好ましい行動」が出るのを待つ、というアプローチによって大人と子どもの間に良好な関係性が築かれることが期待できます。さくら園では2017年度から新任職員を対象にペアレント・プログラムとティーチャーズ・トレーニングを実施しています。今年度で7年目の取り組みですが、今回の研修では幅広い年代の職員も参加し、ロールプレイング中にも笑いが絶えないわきあいあいとした雰囲気で学ぶことができました。



各棟の生活便り


男子南棟

今年の夏休みは天候の影響で予定していた夏のレジャー遊びが中止や延期になることがありましたが、その中でもお祭りに行ったり、買い物や映画を観たり、かき氷を食べに行ったりとそれぞれが夏休みを満喫していました。
夏休み前はウキウキしていた子どもたちですが、夏休みが終わる頃にはカレンダーを見ながら「あともうちょっとしかないやん」と名残惜しそうにしていました。2学期も学校行事がたくさんあるので職員も子どもも気持ちを切り替えて新学期を迎えたいと思います。

男子北棟

新年度が始まり、新しく高校生活を迎えた子どもや、進級し新しいクラスになりワクワク、ドキドキしながら登校した子どもたちは無事1学期を終えることができました。小学生は運動会、高校生は現場実習などそれぞれの場所で頑張り成長する姿が見えました。
夏休みは映画を見に行ったり、棟全体でボウリングに行ったり、文殊様に行き夏祭りを楽しむことが出来ました。また、新たに小学生2名を迎え賑やかになりました。結構で元気に過ごせるよう職員も気を引き締めて支援していきたいと思います。


女子南棟

夏休みは、子どもたちそれぞれ部活動や習い事の大会があったり、進学に向けて行動したりと忙しくも充実した毎日でした。台風などの影響で楽しみにしていた沖の島や室戸での活動が無くなったことは残念でしたが、皆でお出かけをしたりお祭りで花火を見たりと夏らしい思い出をたくさん作ることができました。
いつもと違う環境で子どもたちと関わると、違った一面や成長を見ることができたのでとても楽しかったです。夏休みも明け、2学期が始まりましたがこれからも季節にあった行事を子どもたちと一緒に楽しみたいです。

女子北棟

せっかくの夏休みでしたが、部活動や体育祭へ向けての準備などで学校へ行く日が多く、また、アルバイトに精を出す子もおり、子どもたちは忙しい日々を過ごしていました。女子北棟のみんなで香川県にあるテーマパークへ遊びに行く予定を立てていましたが、残念なことに台風で中止になってしまいました。行き先を愛媛県に変更し、娯楽施設やカフェで楽しい時間を過ごすことができました。
9月に入り2学期が始まるとすぐに中学校の体育祭がありました。夏休み中も練習や準備を頑張っていたのですが、体育祭の数日前、競技の練習中にケガをしてしまうアクシデントがありました。ケガをした子は体育祭で参加できない競技もありましたが、その分応援を力いっぱい頑張っていました。中学最後の体育祭になった子も、競争で勝つことができてとても嬉しそうにしていました。



令和5年度事業計画

これまで、さくら園のホームページにて、施設の単年度及び中長期計画などを報告させていただいてきました。さらに多くの関係者の皆様方に届くよう、今後はさくら通信も活用していきたいと思います。


所在地 高知県高岡郡佐川町甲1110-1
生活棟: 4棟 男子棟: 2棟女子棟: 2棟(各棟児童: 6名程度) 棟職員:各棟4名程度 居室:個室制
その他 主任ユニットリーダー家庭支援専門相談員自立支援職員事務職員 ノ職業指導員心理療法担当職員(一部兼務有)


さくら園では今年度より入所定員を35 名から30 名に引き下げました。「できる限り良好な家庭的環境」を確保するために、子どもたちは個室で生活しています。今年度の後半には地域でグループホームを1カ所確保する取り組みを進めていきます。
さくら園は、その創設から地域の皆様に支えられてまいりました。今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。



さくら園にいつもご支援くださり、本当にありがとうございます。
(令和4年2月~令和4年4月)



<ご寄付・ご寄贈・ボランティアしてくださった皆さま(敬称略・順不同)

果樹園さかもと 篠原欣子記念財団 高知教職員組合 株式会社 ファーストリテイリング サステナビリティ部 中山忠愛 内藤彰信 岡村文具 門司一徹 前田亮 パーラーフジ ポピーフローリスト 北村鮮魚店 退園生2名 元職員1名 匿名希望2名



児童家庭支援センター ひだまり

高知県において児童虐待防止を目的としたオレンジリボンキャンペーンを行なうようになって、今年で15回目となります。児童福祉に携わる支援者が中心となって実行委員会を運営し、今年度も講演会を開催する運びとなりました。




                  〒789-1201 高知県高岡郡佐川町甲1110番地1

                       社会福祉法人 同朋会
                      https://www.douhoukai.or.jp

              児童養護施設 さくら園 TEL:0889-22-1236 FAX:0889-22-1331
           児童家庭支援センター ひだまり TEL:0889-20-0203 FAX:0889-22-1331